こあらの念仏日記

境界性パーソナリティー障害のことと明日の生き方を考えるブログ

私って頭いいよね、って思うことにする。

 

 

「こんな人になりたい」―ある上司の話

会社に、すごく尊敬している上司がいます。

私から見たら全部完璧。

完璧っていうのは、ミスがひとつもないって意味の完璧じゃなくて、

人との距離の取り方が素晴らしい。

喜怒哀楽が人間っぽく出るのも素晴らしい。

抜けてるとこや人間くささも含め完璧。

強がるわけでもなく、権力を誇示するわけでもなく、いつもフラット。ニュートラル。

あと、一番のポイントは、ギラギラしてないこと。

ギラギラしててやる気満々、いかにも意識高い系、知識振りまき系がキツイ。

その上司は、見た目も立ち振る舞いもいつもふわふわしてるのに、実は仕事が大好きで、勉強熱心で、いざという時は絶対に負けずに論破する。

まさに能ある鷹は爪を隠すを体現してる本当に凄い人。

 

 

「この人の下にいたら成長できる」という感覚

そんな上司が、直属から外れ、別の方が上司になりました。

1ヶ月でこんなにも人の気持ちって変わるのかと、驚くほどモチベーションも気力も薄れています。

 

理由は色々あるけど、現上司の人の仕事に介入しすぎること、細々介入してくるのに最重要部分が抜けてること、話が長いのに結論を出さないこと、不要な気遣いに疲れる。

 

それと、一番大きな前上司との一番の違いは、自分の本質の部分を見てくれているか見てくれていないか、という点です。

前の上司は、仕事の進捗や困ってることなどはもちろんちゃんと聞いてくれたけど、いつも念頭に「私の今の環境での役割と仕事の仕方」という視点を持ってくれていました。

だから、上司が私の成長過程を見ててくれる安心感があったし、この人が見ててくれるのだから頑張ろうというモチベーションにもつながっていました。

今やっている仕事内容に強い興味があるわけじゃないのに、その分野のことを勉強したり、新しい知識を入れようと努力してきたのは、紛れもなく「この仕事で一生やっていかないとしても、この上司の下で一生懸命目の前のことをやれば、絶対に将来に繋がるスキルが身につく」という確信があったからです。

 

現に、エクセルのスキルや経理・経営の知識は入社前と比べて格段に上がりました。

それも、前上司の「こうやったら良いよ」が常にあったからです。

 

「私って頭悪い」に対する助言

上司が異動になってから話す機会も減ってしまったのですが、この前久しぶりにランチに行きました。

前日に現上司ともめて、ちょっと落ち込んでいたこともあり、「今、私は目の前の仕事をこなすことでいっぱいいっぱいになってて成長実感がない。私がどんなに勉強しても上には上がいるし、地頭の良いひとには到底かなわない。知識もまだまだ足りないし、自分は頭が悪いな、って思うとすごく焦る。」みたいな話をしました。

 

それを聞いた前上司は、あるブログを紹介してくれたうえで(全力で記事紹介したいけど、会社がほぼバレるのでやめます…)、

「私はこあらさん頭悪くないと思いますよ。ただ、見てる目標が高すぎるかな。こあらさんの年齢で、こあらさんの求めてるものを全部持ってる人がいたら怖いですよ。目標設定のやり方としてよく言われてるのは、小さい目標をひとつずつクリアしていって最終的に高い目標を達成するというやり方です。例えば校正って、知識がなくても気付けるところありますよね?そういうところを、他の人が見る前に完璧に直しておく、とかもすごく良い目標だと思いますよ。上長確認に回したときに、てにをはのミスを指摘されるのはもったいないですよね?こあらさんでも見つけられますよね?そこを完璧にやる。そういう小さな目標をひとつひとつ立てて、達成していくんです。専門的なことはわかんなくて当たり前です。どんどん覚えていけばいいんだから、今全部知っていなくていいんです。」

 

気付いていたけどできないことでした。

小さな目標の達成。難しいです。それはたぶん私が、達成感=他人からの良い評価、と自分の中で定義しているからだと思います。自分の中に起こる「できた!」という感覚を達成感にするのが苦手です。

 

宝物

その上司はとにかく効率的で、人当たりはいいけど深入りは絶対しない人。

私が以前職場で泣いてしまったときも、私が泣いていることには反応せず、淡々と、いまやるべきことや持つべき考え方を話していたのが印象に残っています。

 

そんな彼女が、その日の夜23:30にメールをくれました。

 

「こあらさんは自分のことを頭が悪いって言っていましたが、入社してから今までで、ここまで仕事の幅と高さを広げられた事、自信を持っていいと思いますよ。」

 

なんかもう…私、子供の卒園式とかで全く泣くことができないんだけど、ちょっと泣きました。

新しいフォルダを作っていただいたメールを入れました。

自信が無くなってもうダメ、ってなったときに見る用です。

 

この話を旦那にしたら、「こあらは頭のおかしいロボットみたいなヤツだとおもってたけど、そんな人間らしいとこあるんだね。」

と驚かれました。

 

前上司に、あなたは頭悪くないよ、って言われたら、自分は頭良い人な気がしてくる。

そう思うことにする。