冷めてる人の裏側で。
冷めてる人
「なんか冷めてますよね」
今まで生きてきて、トップクラスで私の印象として言われるこの言葉。
冷めてるというか諦めてます、人間関係を。
人の気持ちを変えることはできません。
他人とは理解し合えません。
友情も愛情も一生は続きません。
だから無理はしません。そんな感じ。
自分の人生については諦めてないし前向きだけど、人間関係には疲れました。
冷めてる人の表側
転んで怪我してダラダラと血が出てても、私が騒いだところで治せないじゃないですか。
仕事で失敗して後悔してても、もう失敗しちゃってるじゃないですか。
だから、そこで騒ぐのが無駄な気がして変に冷静だったりします。
昔から何の仕事をやらせても、トラブル対応が得意でした。
絶対にパニックにならないし、全体俯瞰で見ることができます。
自分の頭とは思えない速度で情報処理をして、対応のパターン・可能性の把握、最良の選択肢の選択・実行までを瞬時に終わらせることができました。
それがあってか、年齢よりしっかりしてる。物怖じしない。メンタル強い。
そんな評価をされることが多くありました。
私は人に顔を向けている時、口角を上げる角度まで考えながら喋ります。
オフィスで顔を上げる瞬間や席を立つタイミングも周りの人に合わせています。
日常のすべてに計算が必須です。
対立するどちらか片方に加担することは絶対にないし、無駄な正義感のなすりつけのような対立や、感情論のトラブルなどは、解決を手伝うメリットが皆無なので、見て見ぬ振りです。
だけど、嬉しい時は喜びを全力で表現したいし、楽しい時は全力で楽しみたいです。本当は。
周りも気にせず、起こった事柄に対して反射的に反応して、飛び跳ねたりギャーギャー騒げたりするのが、感情に素直でとても羨ましいです。
冷めてる人の裏側
外に見える私は落ち着いていて冷静。
だけど、私の中身は子供です。
ほんとはとっても子供。
だから、飲み会で自分が目立てないといじけます。私じゃない子がちやほやされてると嫉妬します。気に入らないことがあると機嫌が悪くなります。
急に不機嫌になって、理由も言わずに無言で帰ります。
誰も呼びにきてくれないのを寂しがります。
普段とのギャップにすごく驚かれます。
意味不明ですよね。
でもそれが自分なんです。
しかも、自分が不機嫌になりかけてる過程を、手に取るように理解できているのに、マイナスの方に気持ちが動く衝動にどうしても逆らえません。
イライラしてきて、目立つ子や注目の的になるようなタイプの子がすごく羨ましい。羨ましさがもう悔しい。
でも自分は頑張ってもそうなれないから、冷めたふりをして冷めた発言をしたり、人を攻撃するようなやり方をしたりして、自分に注意を惹きつけようとしています。
自称モテる女子が最近の男事情を話してる時は、症状の重い性病移れと念じて冷たい目で見ていますし、
飲み会で男がくだらない自慢話をしている時は死んだ目で「つまんない」と言います。
これは全部、パフォーマンスでもなんでもなくただの嫉妬です。クールに見えるその裏で、私は必死に足をばたつかせています。
私は「はっきりした性格」なわけでも「サバサバしてる」わけでもなく、ただ他人が羨ましくてやきもちを焼いているだけです。
いつも、攻撃性と理性がせめぎ合っていています。
ふわふわと優雅に空を飛ぶように人と関われたらどんなに楽なんだろうと思います。
嫉妬の気持ちさえなくなれば、周りのイメージ通り「サバサバしてさっぱりした人」になれるんじゃないかな。
目立たなくても、ちやほやされなくても、その場でニコニコして空気を明るくするくらいのことはできるようになりたい。
大人なんだから。
自分が冷静になればなるほど、自分のことが嫌いになります。