お母さんとお父さんへ
苦しい。
小さい頃からずっとひとりだった。
友達が、ひとりもいない。
幼い頃から、誰もわたしのことをわかってくれなかったし、
近づこうと頑張っても、誰とも距離が縮まらなかった。
苦しい。
お母さん、お父さん、見ないふりしないでよ。
わたしは苦しかったよ。
辛いことがたくさんあったよ。
いろんな人に嫌われて、たくさんいじめられて、苦しかったよ。
言い返せなくて、血が出るまで自分を痛めつけたよ。
話を聞いてほしかったし、「あなたたちの理想の娘」じゃなくて、「友達と仲良くできない困った娘」を見てほしかったんだよ。
私がいろんな男の人と付き合うのも、20歳で結婚して子供を産んだのも、
お父さんとお母さんに「本当の私」を見てほしかったからだよ。
あなたたちが思うような、完璧な娘は、わたしじゃない。
わたしは確かに、自閉症だったかもしれない。
ずっと、空想の世界と現実の幼稚園が区別できなかった。
100体のぬいぐるみには全部に名前をつけて、みんなに命があると思ってた。
鼻をかんだティッシュにも命があると思っていたから、捨てられなかった。
ゴミとぬいぐるみに囲まれて、ぬいぐるみとずっと会話をしてる5歳児を見て、おかしいと思わなかったの?
他の子と違うって、なんで教えてくれなかったの?
みんなから、違うって言われた。どうして喋れないの?って聞かれた。
だけど、そんなの、5歳のわたしに分かるわけがない。
自分の力で、なんとか普通になりたくて、すごく努力してきたつもり。
それでも、なんかいびつだよ。
苦しい。苦しい。苦しい。
助けてくれても、壊してくれても、抱きしめてくれるでもいいから、
お願いだから、わたしのことだけを見てほしい。