こあらの念仏日記

境界性パーソナリティー障害のことと明日の生き方を考えるブログ

病気の人が羨ましい

 

 

「できない」が言えない

私は健康な人だから「できない」が言えない

職場で休職していた人が復職してきた。

数ヶ月休んで、部署を異動しての復職。

元々希望していた部署らしい。

 

あー羨ましいな!!

 

私は月に一回、「鼻炎持ちなので耳鼻科に行ってきます」なんて嘘をついてコソコソ半休を取り、カウンセリングに行っている。

職場の誰にも言えない。

 

子供がいるから時短勤務制度は使っているけど、その中で最大限の成果を上げましょうと言われる。

家に帰っても勉強に費やす時間はないので、行き帰りの電車の中で本を読んだり新聞・ネットで情報収集をする。

寝る前や、隙間時間に整理したりアイデアを考えたりする。

職場にはお弁当を持って行く。

仕事が終わったら光の速さで子供2人を迎えに行って、家事をこなす。

 

そんな生活の中で、私が精神疾患を抱えているなんて誰も気が付かないと思う。

私は健康な人として、仕事の成果を出さなきゃいけない。

気分が優れないといって業務を減らしてもらったり、この仕事は負担が大きいからやりたくないなんて言えない。

 

「できない」が言えない。

 

病気を理由に心配してもらえるのが羨ましい

一方、復職してきた人は、「うつ」とか「適応障害」とか、ちゃんとした病名を与えられて、診断書を5000円くらいで書いてもらって、正規のルートで休みを取り、復職し、周りから大丈夫?大丈夫?と心配され関心を寄せられ、最初は数時間からでいいよ。業務量負担になってない?と調整してもらい、泣きそうになっていれば無理しないでいいよ、と休ませてもらえる。

 

すごくいやらしい話だけど、復職したその人を見てる時、心の中では「私の方が何倍もの時間を苦しんできてるし、何倍も治す努力をしている」と思ってる。

 

私だって構ってほしい。

心配されたい。

大丈夫?できる?って聞いてほしい。

「できないです」って言いたい。

ちょっとでいいから、休ませてほしい。

 

病院には行ってないけど、仕事とは別にカウンセラーさんに勧められた本を読んで、自分の気持ちをブログやメモに書き起こして、弱った時はワークをしてイライラや悲しみを整理して、治そうとしてる。努力をしてる。

私だって、ほんとは病気だもん。

そんなことを言いたくなる。

 

みんなが知っている私は私じゃない

ギャップ

中身も不器用だけど、体まで不器用だ。

 

いつもニコニコしてるね。

気分の浮き沈みがないね。

安定してるね。

落ち着いてるね。

メンタル強いよね。

 

今まで、何回それを言われてきただろう。

 

実際は、もういますぐにでも泣き出しそうな時もあるし、

怒りでPCを叩き割ってしまいたいくらいの衝動に駆られることだってある。

だけど、そこはうまくバレてないみたいで、

例えば飲み会の席で、私の不安定さやマイナス思考な考え方、攻撃的な部分について話をしたとしても、論理的だね。よく考えてる。面白い。と言われてしまう。

 

違う。

私はそんなに強くない。

ほんとに不安だし、ほんとに嫌なことがたくさんあるんだ。

私にも大丈夫?って聞いてほしい。休んでもいいんだよって言ってほしい。

 

私は診断書を出せない

私は自分のことを病気だとは思ってないけど、それなりに重いものを抱えて生きている自負はある。

そのくらい苦しい。

 

わざわざ自殺しなくてもこのまま死ぬのかもしれない、と思うほどの過呼吸や、

ぐるんぐるん回転する目眩に襲われることもある。

過食は定期的にあるし、自傷行為はやめられない。

寝られないなんて日常茶飯事だし、

生きること、もっとミクロな話で、この場で息をして立っていることに耐えられないくらい精神がガラガラと崩壊しかける瞬間もある。

 

だけど、私はそのまま落ちて戻れなくなるのを自分の力で必死に止めて、いつも乗り切ってしまう。

そこでもうだめだ、となって会社に申告したり、心療内科で診断書を出してもらえば、その人のように、周りに助けてもらってもっと楽に生きられるのかもしれない。

 

だけど、そのように弱みを沢山の人にさらけ出す強さを私は持っていない。

自分のメンタルの歪みや、そこからくる仕事への影響を、人に伝えてわかってもらえると思わない。

 

会社のみんなは、復職した人のことを、素直に診断書通りに受け入れて対応してるけど、正直診断書なんて、ぐったりして泣き腫らした顔で呂律も回らない状態の時に心療内科に行けば誰でも書いてもらえる。

 

精神疾患の世界は、情報操作が可能な世界だ。

ソーシャルワーカーをはじめとして、行政でメンタルヘルス対応をしている人たちがいる。

そういう仕事をしている人がいる。

その人たちはあらゆるサポートを提供するために存在している。

サポートを受けさせるために診断書を書いてくれと医師に依頼できる。

それをみんな知っているのか知らないのかわからないけど、私はすごくうがった見方をしてしまう。

 

こんなことを書きながらブログにボーダーだのなんだの書いてる自分が死ぬほど嫌だけど。

 

だから私は、復職した人と同じことをすることはできない。

いま私が抱えているものを職場の人に正確に伝えることは不可能だし、恥ずかしいし、そもそも、本当かどうかもわからない精神疾患を認定されることにやっぱり抵抗を感じる。

 

職場では、普通に仕事が好きで頑張ってる、気が強くて、メンタルが強い、性格が男みたいな、28歳。2人の子持ち。女性。

そんなタグを貼られていて、いつも従順にその人を演じている。

 

結局すべて嫉妬

自分の軸が定まってないから、目に見える自分と違うものすべてがよく見える。

私は決して、休職する人たちをバカにしているわけではないし、その人たちの苦しさや辛さもある程度理解できるつもりでいる。復職した人のことを嫌いなわけでもない。

 

とにかく自分に自信がないから、自分にできないことをできる人が、ただただ羨ましい。

 

周りの人と話していて、「〇〇さん休職しちゃってかわいそうだよね。」というのを聞くたびに、「私はほんとはその人以上に苦しい。だけど休んでないよ!すごい?」と、嫉妬心と敵対心を抱く。

 

必死に自分をアピールする子供みたいな、幼稚な感情が雷のように落下してくる。

それを言葉に出さないよう、トータル2秒くらいの間に脳内のシナプスを一気に動かす。

 

そうやって、文字通り嫉妬に狂う状況を必死に回避しているのだけど、

病気になったと公開することで、周囲に良い意味で甘えられて、適度なところで妥協もできていることが純粋に羨ましい。

 

自分だけで解決させないといけないという責任感や、周囲に言って「弱いやつ」と思われることへの恐怖。

精神疾患への偏見。

それらに私は勝てない。

 

だけど、復職した同僚も、その人に通院を勧めた人事も、会社の人たちも、素直に今の状況を受け入れている。

素直に病院の診断を受け入れている。

私にその素直さはない。

 

素直で純粋なみんなが羨ましい。

病気の人が羨ましい。

私は自分の中でしか戦えない。