こあらの念仏日記

境界性パーソナリティー障害のことと明日の生き方を考えるブログ

本当に意味のある一時保育

数時間の一時保育は意味がない

育児中のお母さんは子供と離れてひとりの時間を取るべき論がありますが、

数時間の一時保育でお母さんがひとり時間を確保しても、心身ともに健康なお母さんでない限りほとんど意味がないと思います。

 

 

一時保育が無意味な2つの理由

 

  1. 数時間子供と離れたくらいで解決する種類のストレスじゃないから
  2. TODOが増えて逆にプレッシャーになるから

 

1ですが、

表面に表れている育児のストレスの奥にはほとんどの場合、本人の性格や考え方の歪みがあります。

 

わたしも最初はそういう階層があるとは思っていなかったから、なんでこんなに疲れちゃうんだろう。みんなが普通にできることがどうしてできないんだろう。

最低限のことができない自分が嫌でした。

 

ストレスを感じやすかったり、人間関係や子供の成長過程の諸々で悩みやすかったりするのは、育ちや家庭環境、もしくは生まれながらの特性に起因する場合がほとんどです。

 

また、個人的な意見ですが、そういう人たちって「ストレス発散した!」という感覚も感じづらいタイプなんじゃないかと思います。

 

2ですが、

一時保育の目的でいうリフレッシュって「お母さんのやるべきことを減らす」だと思うんですが、数時間の一時保育の場合、減らせるやるべきことは、数時間子供の相手をすることだけ。逆に、子供の送迎やお弁当づくり、用紙の記入など「タスクが増えて」います。

 

本当に、一分一秒が辛くていっぱいいっぱいなお母さんは、自分の抱えているタスクを積極的に減らしていかないと、絶対に心が楽になることはありません

 

自分の性格や成育環境からできている価値観、根本的に抱えているトラウマが根底にある大きなタスクだと思うけど、そこに、子供の世話、食事、洗濯、掃除、学校の係、仕事、保育園の送迎、懇親会、子供の面談、地域の係、朝の見守り、宿題、たくさんのプリント、子供の荷物の準備、お弁当作り、自分の趣味、勉強。

いろんなものが重なって、キャパを超えてしまう。

 

たぶん、健全な家庭に育った人たちは、根本に抱えているタスクが少ない。

例えば健康な人が根本に抱えているタスクが30%くらいだとすると、生育に問題がある人のタスクはそれだけですでに80%くらいあるイメージ。

普通だったら、70%の余力があるところ、私たちは20%しかないんです。

その中で日常を回して、子供の世話をして、小学校の係りをやってなんてしてたらいっぱいいっぱいになるに決まってます。

 

数時間の一時保育は、預けるための子供の荷物の準備、着替え、送迎、弁当が完全にタスクです。そこを代わってもらえず、数時間離れただけで、私たちのストレスが消え去るわけは絶対にない。逆に抱えてるものを増やしてるだけだと個人的には感じます。

 

お金の問題

また、一時保育を利用するにはお金がかかります。

金額はたぶん、どの自治体も良心的ではあると思うけど、子供が複数いたら、または預ける日数を増やしたら、その分金額も上がります。

 

収入が少ない非課税対象者で無料だったらぜひ利用するべきだと思うけれど、私の場合は週1回日曜に子供二人を9時~17時で預け、月に2万円払っていました。

旦那にも高すぎると言われ、かなりの負担でした。

 

時間の問題

そしてもうひとつ、送迎の時間が決まっていることも大きなストレスです。

仕事をしていてやっとの土日休みなのに、朝早くからお弁当を作って、いつもと違う荷物の用意をして、時間に間に合うようにいつもと違う場所に送っていかないといけない。

いつもと違うことをするのは疲れます。

時間に余裕がある人はぜひ預けてほしいのですが、私のように逆に負担になってしまう場合もあるかもしれません。

 

本当に意味のある一時保育って?

じゃあ、預けることにまったく意味がないかというとそうではありません。

 

この間、旦那が週末、土曜の夜から日曜の夜にかけて子供達を義実家に連れて行ってくれました。

一晩一人になれること、お迎えの時間を気にしなくて良い日があること、それは心の負担を軽くしてくれました。

 

また、夏休み期間は、電車で3時間かかる私の実家に2人(7歳、4歳)を2週間預けることにしました。

こんなにゆっくり、自分のためだけに時間が使える幸せを噛み締めています。

 

私は子供と数日単位で離れたおかげで、崖に向かって転がる車輪にブレーキをかけてもらったように、一旦心を落ち着けることができました。

 

いっぱいいっぱいなお母さんにはぜひ宿泊付きの保育をおすすめします。

宿泊付きで預かってくれる制度は各自治体にあると思います。

 

また、私は行政のケースワーカーさんに育児が辛いことを相談したとき「レスパイト(レスパイト・ケア)」*1という制度を教えてもらい、利用していました。

一時保育より安価な費用で、一日預かってもらえます。ただ、「レスパイト」は、特に育児に困っている家庭や、虐待の恐れのある家庭に適用されるようです。

 

同じお金を払うなら、一晩一人で寝る時間をぜひ買ってください。

預けられる人がいるなら数日預けてください。

 

これは私の実体験をもとに書いていますが、

心に余裕ができているいま、仕事帰りに道ゆく子供たちが本当に可愛く思えました。

子供は天使だと心から思いました。

自分の娘と息子の写真を見て、ひとりで「かわいいー」と悶絶しました。

はやく会いたいと思いました。

 

私は子供を産むまで、子供なんて大嫌いと言っていました。

産んだ後も、泣いている子供は嫌いだと豪語していました。

 

でもいま、小さな体で泣いて怒って笑って、一生懸命自己主張する姿がほんとうに生命力に溢れていて美しく見えます。

 

育児に疲れているお母さん、是非、宿泊付きの保育を使ってみてください。

自治体の育児支援センターや市の子育て相談のフリーダイヤルに電話して、現状の辛さを相談してみてください。

 

普通の一時保育ではないサポートが必要だけど、使っていない方も多くいると思います。

まず、住んでいる自治体に相談することを、心からおすすめします。

 

*1:レスパイト・ケアとは、在宅で乳幼児や障害者(児)、高齢者などを介護(育児)している家族に、支援者が介護(育児)を一時的に代替してリフレッシュしてもらうこと。