こあらの念仏日記

境界性パーソナリティー障害のことと明日の生き方を考えるブログ

カウンセリング7回目②(2018/7/18)

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「一番になりたい」という病気

私:いまでもそれは思っています。

私の歯並びがいくらキレイになったところで、私よりキレイな人はたくさんいて、私は狭い会社の中ですら一番にはなれない。みんなが可愛いという顔にはなれない。そう思うと、矯正して意味があるのかな、と思ったりもします。

 

C:前に、あなたにはASDの特性があるとお伝えしましたね。それはその特性です。こだわりの強さ。一番になりたいというこだわり

 

私:いとこが圧倒的に頭が良くて、ずっとダントツで学年一位を取るような人でした。そのあと彼は、東大に行って、官僚になりました。

それが一番正しい道な気がするんです。

 

C:そうですか。だけど、そのいとこの方は幸せなのかな?

 

私:会っていないのでわかりません。

 

C:そう。だけどね、ずっと一番でいられる人なんていないですよ。

みんなどこかで折り合いをつけているんです。

その人も、東大の中で一番になれたかわからない。官僚の中で一番になれたかわからない。

 

あなたはASDの特性があって、一番じゃないとダメだとこだわってしまうけど、一番を取り続けられる人なんていないんですよ。

 

私が一番にならないといけない理由

私:一番でいなきゃいけないという思い込みが強まったきっかけがふたつ、思い浮かびました。

ひとつは、前に話したかもしれないけど、いとこの家に遊びに行った時の話です。

 

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あともうひとつが、小学生の時のピアノのオーディションの話です。

 

私は3歳から23歳までピアノを習っていたんですけど、小学校4年の時に、学校の合唱コンクールがありました。

その頃って、ピアノを続けてる人も減ってくるから、自然と、伴奏はピアノ習ってる〇〇ちゃんね、って決まってくるんです。その年も、私が弾く雰囲気になっていたんだけど、もう1人弾きたいという子がいて。でも私、唯一ピアノは得意だと思っていたから、譲れなかったんです。

 

そしたら、音楽の先生が、オーディションをすると言って、同じ曲を先生の前で弾いて、どっちが伴奏をするか決めることになりました。

 

そして結局、私じゃない子に決まったんです。

 

それを帰って母親に報告したら、急に悔しさが込み上げてきて、コタツの中に潜ってずっと泣いてたんです。本当に悔しくて。

そしたら、母親がどこかに電話をかけ始めて…。

 

電話の相手は音楽の先生でした。

布団をかぶっててよく聞こえなかったけど、たぶん先生が「どんぐりの背比べ」って言葉を使ったらしく、それに対して母がすごく怒っていたんです。

「一生懸命練習した子供に向かってどんぐりの背比べって言い方は何なんですか?!」って。

私は恥ずかしさと悔しさでいっぱいになりました。

 

あと先生が「どんぐりの背比べ」って言葉を使ったのは、二人ともそんな上手じゃなかったからだ思って、それもすごくショックで…。

 

私が選ばれればこんな思いしなくてよかった。

お母さんと先生が嫌な気持ちになったり怒ることもなかった。

私も、みんなも、傷つかずに済んだ。

 

私が一番でいれば。

何もかもが人よりできれば。

私は一番でいなきゃいけない。

そう思いました。

 

自分軸がない

私:私は器用貧乏で、やらせればなんでもある程度まではできます。でも、飛び抜けて得意なことがひとつもないんです。私にとって一番になるのは、すごく難しいことなんです。

 

だからいつも必死で、やらなきゃいけないことがたくさんあるので毎日何かに追われています。勉強しなきゃいけないことは山ほどあるし、お金も時間も足りない。それが苦しいです。

 

C:その「やらなきゃいけないこと」は、あなたが本当にやりたいことですか?

あなたは容姿でも勉強でも、「みんなから見た自分」をずっと気にしていますね。「みんなは…」「みんなの中で…」

自分のことをみんなに判断してもらおうとしている。

 

あなたが器用貧乏なのは、あなたが心から好きなもの、楽しいことをやったことがないからだと思いますよ。

あなたはすごく記憶力がいい。そして、それを言語化する能力もあります。

 

今お話しされた2つのエピソード、聞いていてはっきりと情景が浮かぶようでした。

はじめにいただいた成育歴を読んだときも、その時のあなたの記憶が、その場を見ていない私の目にも浮かぶような文章を、あなたは書いていましたよ。

ひとつのことをとことん追求する力もあります。

好きなものが見つかればあなたはきっとうまくいくと思いますよ。

 

私:好きなもの…

好きなこととか好きなものって、考えても何にも出てこない…

 

C:そうね。あなたはたぶん、ずっと周りに気を遣って生きてきました。自分の好きなことを、好きなようにやってきたことがないんですね。

今話してくださったお話も、思いついたらいつでも何度でも話してください。

 

そろそろ時間になります。今日はふわふわしたりしてないかな?

 

私:今日は大丈夫です。

 

C:そうですか。よかった。

 

 

 

 ③に続きます。